はじめに

パナソニックさんからIP/JEM-A変換アダプターという製品が発売されています。 これは電気錠やシャッター等のJEM-Aで制御する住宅設備をECHONET Lite対応コントローラーで制御するためのものです。

我が家は新築の時にAiseg2とこちらの変換アダプターと電気錠を設置していたので、すでにAiseg2やスマホアプリから電気錠が操作できるようになっていました。 しかしAiseg2とその周辺のスマホアプリではできることが制限されています。

  Aiseg2本体 ドアホン本体 スマートHEMSアプリ ドアホンコネクトアプリ
宅内から施錠
宅内から開錠 ✖️ △(着信中のみ可)
外出先から施錠 - -
外出先から開錠 - - ✖️ △(着信中のみ可)

アプリの動作も遅く使い勝手がイマイチなので、Home Assistantを使って改善してみます。

Home Assistant

我が家ではRaspberry Pi 4Home Assistant OSをインストールして運用しています。

非公式のechonet lite インテグレーションを使えばechonet lite経由で操作できるのですが、我が家のアダプターは操作できないようになっていました。 ハウスメーカーがセットアップの段階でアダプターを1:1通信モードに設定していたのが原因のようです。

実装

LANで誰でも鍵を開錠できてしまうのはセキュアではないので、今回は1:1通信モードを解除するのではなく、アダプタの管理画面をHTTP越しに操作することにしました。

ブラウザで操作してみる

ブラウザで次のURLにアクセスするとIP/JEM-A変換アダプターの管理画面にログインできます。

http://[IP/JEM-A変換アダプターのIPアドレス]:8080/

認証画面

認証が設定されており、次の情報が必要です。

ユーザー名: admin
パスワード: 設定したパスワード(デフォルト値は本体裏側に記載)

認証に成功すると管理画面が表示されます。 開け閉めするためのボタンと、現在の状態が表示されています。

管理画面

Pythonで操作してみる

ブラウザから操作した時に発生するリクエストを真似て、Pythonから操作してみます。

ダイジェスト認証を通してGETメソッド(!?)でアクセスするだけで全ての操作が行えます。

jema.py

こんな感じで実行できます。

JEMA_BASE_URL=http://[IP/JEM-A変換アダプターのIPアドレス]:8080/ \
JEMA_PASSWORD=[パスワード] \
python3 jema.py 

Home Assistantから操作

以上を踏まえてHome Assistantのカスタムコンポーネントを実装すると、こんな感じでWebやアプリから操作できるようになりました。

Home Assistant

導入方法等はリポジトリを参照してください。

jema_lock

おわりに

宅内/外出先問わずHome Assistantから鍵の開け閉めができるようになりました。

Home Assitantのコンパニオンアプリは大変便利で、iOSのウィジェットにも対応しています。 今回の機能と組み合わせてロック画面にアクションを登録しておくと、迅速に鍵の開け閉めができるようになります。